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世迷言

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☆★☆★2015年04月28日付

 ネパールの大地震は死者が8000人を超える可能性があるという。地震だけでこれほどの被害者が出るというのは、耐震構造を備えた建物が少ないためだが、現地からの映像を見るとまさに備えたくとも備えができない国の実状が悲惨さを伴ってそのまま伝わってくる▼地下のプレートがぶつかってヒマラヤがつくられたといわれる「地震の巣」に巨大地震が発生することは十二分に予想されることで、事実、81年前にはマグニチュード8・4の地震が発生、8500人が死亡しているのだから、同じ惨禍が繰り返されぬよう建物なども耐震性が求められるところだが、それが等閑に付されてきたのは防災意識うんぬんの前に求められるものがあったということである▼なにしろ細い柱に赤レンガやブロックを組み合わせただけのビルや民家がほとんどで、耐震性など考慮されていないのだが、それを求めても求められない国もあるという事実を映像は如実に物語っていた。復興のために巨額の予算も投じられる日本から見れば考えられないことだ。一方にこういう現実がある▼ネパール滞在経験のある友人から聞いた話だが、何か昔の日本に戻ったような趣きがある国で、そのまま住み着きたくなったという。カトマンズを中心に日本人が1000人もいるというのがその証拠であろう。▼住む場所はむろん、食料、衣料、医薬品はじめ何から何までが不足しているだろうから、世界の緊急かつ広範な支援が必要だろう。日本政府も東日本大震災の経験を生かす時である。

☆★☆★2015年04月26日付

 前非を悔いてずっと謝り続けて来たのに中国と韓国が日本を決して許さぬのはいつまでも首根っこを押さえておきたいからである。安倍首相が米議会で演説する機会を捉えて在米韓国系団体が首相による公式謝罪を求めているのも、その見事な証拠だろう▼戦後70年という歳月が流れたその間に歴代の首相はじめ政界、経済界のトップリーダーたちが戦前の過ちをいかに謝罪してきたか、思い出すのも数え切れないほど。同じ事を人間関係に置き換えてみたら謝罪の意思など吹き飛んで喧嘩になることは請け合いであろう。日本人は淡泊にできているから、戦いが済めばノーサイド(恨みっこなし)という精神を理解できるが、恨みは一生忘れないという国民性も存在するのは確か▼米国内に慰安婦像を建てるだけでは気が済まない韓国系団体が今度は米議会での演説で首相に公式謝罪を求め、民族の誇りを満足させるのはいいとしてもそれが日本人の心をも傷つけ、両国の関係に深刻な打撃をもたらすという心理作用をなぜ理解できないのだろう▼強制性を持った慰安婦問題など存在しないことを世界に訴えていく方針の首相がそんな要求を受け入れるはずはないのに、あったあったと言い募るのは、ここで許してしまっては失うものが大きいからなことは疑いあるまい▼村山談話や河野談話が出されても決して攻撃の手を緩めず、安倍首相の新しい談話にも警戒を強めるその執拗さは今後も改まることはあるまい。これで人間関係が良くなるだろうか、まったく否である。

☆★☆★2015年04月25日付

 首相官邸の屋上に降下したドローンの持ち主がどんな人物でどんな目的があったのか、早く知りたいものだが、相当のオタクであることは間違いなさそう。しかし特殊な「遺留品」をあれだけ残したのだからすぐ足がつくのを覚悟の上の犯行なのかもしれない▼使われたドローンは中国のメーカー製で、その名も「ファントム(幻影、幽霊)」といかにも「百鬼夜行」しそうだが、これが世界のベストセラーとなっているのは価格の安さだけでなく性能も抜群と、いわばコストパフォーマンスに優れた製品だからである。降下か落下か墜落かはともかく、官邸のヘリポート近くに着陸できたのもその性能を抜きに語れない▼本来白い機体を黒く塗って忍び込むのは忍者の黒装束と同じだが、カメラの他に発煙筒やボトルなどを積めば「積載量超過」となるところで、モーターなどを替えてパワーアップを図ったのだろう。いずれよほどのマニアでなければ技術的に難しい。世間の目を集める意図は読めるが、セシウムをもって「反原発」の主張をうかがわせるようなあたり、かなり緻密に計画したのだろう▼機体の下に200〜300bの交信距離を1・2`bまで延ばせる器具を備えていたのは、官邸から離れたところから操縦するためだろうが、自律飛行でない限りどこかの監視カメラが操縦者を捉えている可能性がある。が、それも覚悟の上か▼当社にも空撮業務のため同型機を含めたドローンがあり、重宝しているが、この一件以来ドロンと消えたい気分となった。

☆★☆★2015年04月24日付

 「泰山鳴動してネズミ一匹」ならぬ「ドローン一機」で、首相官邸屋上に墜落したマルチコプター(複数のプロペラを持ったラジコンヘリ)をめぐってこれほど大騒ぎになるとは▼地上だけでなく上空からの攻撃に備えた警備体制が取られているはずの首相官邸に、あろうことかカメラとセシウムが入った容器を積んだドローンが侵入(墜落とはいえ、まさに侵入)したという事実は我が国の危機管理とやらがいかにお粗末なものかを露呈したも同然だろう▼米国のNSCになぞらえて「日本版NSC」と呼ばれる国家安全保障会議が創設され、その司令塔ともいうべき首相官邸は水も漏らさぬ警戒下にあると思っていたらあにはからんや、たかだか十数万円の無人機を撃墜どころか補足すらできなかったのだから、虚を衝かれたというよりは無防備過ぎたという他はなるまい▼ホワイトハウスに政府職員が操縦していたドローンが墜落して、あれほど外部に対する警戒の密な米国ですらこうかと正直驚いたのだが、その前例を他山の石とせず、同型の無人機の侵入を易々と許したというのは「専守防衛」すら怪しい国家体質の脆弱さと断じたい▼高度を上げると点にしか見えないドローンを目視で捉えるのは困難だがIT技術を使った監視はできたはずである。さいわい爆発物や有毒ガスなどを積んでいなかったから良かったようなものだが、これを法の規制だけで対処するようなやり方では本物の危機管理はできない。大体、この侵入も周到な準備がなされている。

☆★☆★2015年04月23日付

 健康ほどの宝がこの世にありや?と問われても健康が当たり前と思っている若者たちにはピンと来ないかもしれない。車、恋人、スポーツや音楽などの趣味その他に価値を認めこそすれ、当たり前に対して敬意と感謝を示すつもりなど起きないのもムリはない。だが、冒頭の問いには無条件に首肯するのが年寄りの年寄りたるゆえんだろう▼五十肩でもいい、花粉症でもいい、インフルエンザとまではいかなくとも軽い風邪でもいい。そんな状態になって多少でも違和や不自由を感じると改めて普通通りに体を動かせることの大事さ、ありがたさをかみしめることになる。だからこそ、検診を受けて「早期発見、早期治療」に努めるのは今日の常識だが、それに異を唱える医師もいる▼文藝春秋5月号でその逆説を説いているのが順天堂大学大学院教授の白澤卓二氏。「コレステロールは脳にとって重要な栄養素」説をはじめ、糖尿病は薬より食事で治せ、高血圧でも自然塩ならむしろ適度に摂った方がいい…などなど今日の医学の常識を覆すような指摘が満載されている▼同氏の言わんとしているのは予防医学の大切さで、二千年の歴史を持つ伝統的医療の系譜が20世紀後半に突如消えてしまったのは投薬をベースにした儲かる医療≠セというのである。こうした説にはむろん異論があるだろうが、邪説と一概に否定もできまい▼医学的知識を何ら持ち合わせない人間だが、医療には絶対というものがない以上、こうした意見も一つの警鐘として捉えていいのではないか。

☆★☆★2015年04月22日付

 今年の桜は「花保ち」が良かったので長い間開花を楽しめたのは最高だった。暖かい日の合間に結構、花冷えがあったためだが、ただ「花より団子」組の期待には応えられなかったよう▼「花より団子」では人後に落ちない方だが、とはいえ、満開の桜なしには酒宴の興趣も半減しよう。すっかり葉桜となってしまった東京からの帰り、所用あって国道4号線を通ったが、北上市周辺は長蛇の車列が出来上がりなかなか前へ進めなかったほど▼ちょうど日曜とあって県内の代表的な桜の名所「北上展勝地」のさくらまつりとかち合ったためと理解したが、これだけの集客をできるようにした同市の先達の思いが伝わってきて、地域起こしというものがいかに大切かを知らされる思いだった▼当地にもそんな先達たちの努力によって名所がいくつか出来上がっていたのだが、その多くが波に呑まれてしまったのは残念でならない。「義経千本桜」の例のように川筋に沿って植樹するという「常識」が沿岸部では裏目に出たのだが、しかし桜をこよなく愛する日本人の魂は新たな名所を作らずにおかないはず▼上京する前、小欄を書き置き掲載日には葉桜になっている前提にしておいたのだが、これも予想が外れ帰ってくる時もまだ満開状態のままだった。「予定稿」のこれが恐さである。とまれ桜はすごい。良寛様の句ではないが「散る桜残る桜も散る桜」の結果、風に舞った花吹雪が地面にさながら色絵和紙のような紋様を描いたような、その自然造形の巧まざる美しさよ。

☆★☆★2015年04月21日付

 別に引きこもりではないのだが、社交性を欠くためそうなる人間も、たまには外へ引っ張り出されることがある。今回も久しぶりに上京して、はしなくも日本の将来を考える結果となった▼都会の喧噪が苦手で俗に人に酔う方なのだが、それより何より上洛≠ェおっくうなのは、どこへ行くにも徒歩を強要?されることだろう。近くまで何かを買いに行くにしても車を使う田舎生活の便利さにどっぷり浸っていると、階段の上り下りや乗り換えのために、端から端まで何`もあるようなホームを歩き続ける苦行≠ノはうんざりする▼さっさと用件を済ませて銀座へ出かけた。朝日新聞が元の本社所有地に新しいビルを建設中と知ってはいたが現場を見て、その社屋の屋上に伝書鳩の小屋があったことを思い出した。もう半世紀前のこと▼銀座4丁目は歩行者天国になっていて、周囲は外国人だらけ。それにしても通りの美しいこと。たばこの吸い殻1本落ちていないのは条例によって規制されるようになってからだが、なぜ都内にはゴミ箱が置かれていないのか外国人が不思議がるのもむべなるかな▼が、一歩下町へ行くと朝の駅前は吸い殻だらけだった。公徳心は条例が作るものというのでは情けない。タクシーに乗って林立する高層ビルを眺めながら都会生活の切なさを知る。冗費をとことん削減し負担の軽減を図るために、心ある政治家を増やす必要がある。まずは解散総選挙を行い国会議員の定数半減を争点とする。そんな乱暴な改革ができる政治が課題だろう。

☆★☆★2015年04月19日付

 この世にもし造化の神というものがあるとしたら、なんでこんな不公平をしたのだろうと正直そう思うのは、桜という素晴らしい花を日本列島だけにあまねくもたらしたそのやり方が半端でないからである▼桜の原産地はヒマラヤあたりで、現在は北半球の温帯に広く分布しているというが、国土をこれほど埋め尽くしているのは日本だけで、国花として公式に定められたわけではないにしても、事実上国花として自他共に認めるのは、文句のつけようのない美しさと圧倒的な存在感をもっているからに外なるまい▼西行法師が「願はくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月のころ」と詠んだのはこの花が一斉に咲き誇る頃の、まさに華やかさ一色に彩られる情景がもたらす精神的充実さに浸りながらこの世においとましたいという日本人共通の願望が託されているためと解釈してよかろう。西行はこの歌に詠んだ通り、旧暦二月十六日に入寂したとされるが、小生もそう願ったら不遜というものでしょうか?▼しかし中国文化の影響を強く受けていた奈良時代までは花といえば梅のことだったようだ。それが時代が下るにつれ、日本人の感性と一致する桜に変化していくのは、中国文化から卒業して、独自の世界観を持ちたいという希求が作用したことも否定できないのではあるまいか▼葉桜となってもなお未練たらしく桜のことを書くのは満開の残像が頭から離れないからである。花の下から上を見上げて淡い花園の中に吸い込まれ言葉を失ったその後遺症か。

☆★☆★2015年04月18日付

 任期満了に伴う9月の岩手県知事選挙は、独走の模様だった現職の達増拓也氏(50)に対し、元復興相で参院議員の平野達男氏(60)が立候補を表明したことでにわかにあわただしさを増してきた▼達増氏が3選を目指して立候補を表明して以後しばらくは対抗馬の動きが見られず、無風状態が続いていた中でも、いぜん台風の目として平野氏の去就が注目されていたのは、県議会における与野党の主導権をめぐる動きと連動する可能性を十二分に秘めていたからだろう。いずれ同氏擁立の動きは水面下で着々と進められていたようである▼達増、平野両氏とも民主党分裂前までは同じ仲間だったが、昨日の友が今日の敵になるのは一寸先は闇である政界の常。一度は国政に携わっても歯車の一つに甘んずるか、それとも一国一城の主たる道を選ぶかを自ら問えば、答えは明らか。こうして衆参両院議員から県知事になった事例は全国で数え切れない▼物心ついてから年の甲の分だけ岩手県知事選を見てきたが、実にさまざまなドラマがあったと思う。知事が官選から公選になって初代の国分謙吉氏は「農民知事」と呼ばれ、ズーズー弁で県内を行脚して回っていた時、まだ小学生だった小生が言葉を交わしたことがあるのは懐かしい思い出だが、歴代はなんとなく泥くさかった▼どの知事も当初こそ政党の支持を受けたとしてもそれでは県民性と合わず、途中から「県民党」になるのが常だった。今度の両氏もむろん県民党を名乗るだろうが、さて審判はどう下るのか?

☆★☆★2015年04月17日付

 役立つ情報をお届けするのが小欄の使命の一つなので、本日もそんな一つを。と言ってもどうでもいいような内容なのだが、それがまた役に立つこともあるのが世の中の素敵なところだろうか▼ネットを見ていたら「カキのアヒージョ」という文字を見つけた。はて「アヒージョ」とは一体何ものか?と社内を聞き回ったところ、これはオリーブオイルを使ったスペイン料理のことであると判明。しかも海のカキを使っているとなれば当地でも役立つこと請け合いと早速レシピをひもといた▼日本で言えば一種の鍋物で、魚介類やキノコ、野菜類をオリーブオイルでことこと煮詰めるだけの簡便さだから、これは安直を求める無精亭主たちに好個のレシピと思いきや、下ごしらえが結構面倒なのだ▼まず土鍋にオリーブオイルを入れ、みじん切りにしたニンニクと鷹の爪を加えて弱火で加熱するというところはイタリア料理のパスタソース「アーリオ・オーリオ」と同じだが、そのあと具材を入れてオリーブオイルをたっぷりとふりかけ、弱火でじっくりと煮込むところがスペイン風なのであろう。で、問題の味の方だが、これが実に絶妙。以後とりこになった▼なにより驚いたのはジャガイモが大化けすることで、これは他の野菜も同様だろう。これなら魚介類など入れずとも野菜だけで十分だから、ベジタリアンにも向く。まして最近の健康法ではオリーブオイルの効用が見直されているのでこれはぜひお勧めしたい。下ごしらえが面倒なら市販の「素」を使えばいい。


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