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世迷言

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☆★☆★2014年09月20日付

 森喜朗元首相が19日から訪韓、朴大統領と会談するという。11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせて日韓首脳会談を実現させる下地づくりらしいが、いやがる相手にすり寄る必要があるのだろうかと思うのは依怙地過ぎるだろうか?▼日韓議員連盟会長を務めたこともある同氏は韓国政界と太いパイプを持つだけに、東京五輪組織委員会会長として仁川でのアジア大会開会式に出席する機会に朴大統領と会談するお膳立てもスムーズに運んだと見られる。その根回しを要請したのは首相官邸だろうが、いくらドアをオープンにしておいてもノックする様子も見せない相手を相手にするのは愚の骨頂▼こう書くといかにも狷介、狭量に思われるだろうが、国交関係も相手を見て法を説くべきで、自分だけが主張して相手の言い分には耳も貸さないような隣人と付き合うのは骨が折れ、ストレスがたまるだけでなく、何のメリットももたらさない。ましてこの期に及んでなおも慰安婦問題に固執する相手である▼朝日新聞の誤報が撤回されて従軍慰安婦や性奴隷などの虚妄が取り払われたことは、世界に正しい歴史認識を広めるきっかけとなったから、韓国もその歴史認識に立って新たな友好関係を築くべきであり、どこまでも過去に拘泥するような従来のスタンスは害にこそなれ何ら益を生まないだろう▼そう気付かせるには長い冷却期間を設けることが肝要で、こちらから譲歩すればそれは相手の思うつぼにはまるだけと心得たいものだ。

☆★☆★2014年09月19日付

 ソニーの来年3月期は2300億円の赤字となりそうだ。このため56年前の上場以来初めて年間配当を無配に追い込まれ、さらに約1000人の人員削減を行うなど、数々の神話を生み出してきた名門がいま塗炭の苦しみにあえいでいる▼従来の赤字予想が約500億円だったものが、4倍以上に拡大しそうな気配となったのは、中国や韓国に押されて苦戦していた液晶テレビに続いて次の主力となったスマホも中国メーカーの台頭などで同様の結果を余儀なくされたことが巨額の赤字を抱え込む結果となったようだ▼ものづくり日本を代表するブランドであり日本の誇りでもあった同社の凋落に等しいこの経営不振は決してものづくりを否定した結果ではなく、いい物は必ず売れるという自信も価格攻勢の前には無力となる世界の潮流を見誤ったためだろう。しかしそれにしてもこのドラスティック(激烈)な変化を予測できなかったのは、大企業病に陥っていたせいと見ていい▼一頭地を抜く技術力で世界のソニーと言われ、実際輝くばかりの業績を上げてきた同社の栄光に影がさしてきたのは世界のビルを買い漁ったり、オーディオビデオやゲームソフトに主力をシフトし始めたあたりからではなかったかと思う▼それは時代を先取りしたものだったにせよ、創業の精神であるものづくりの看板をおろそかにする結果になったのではあるまいか。テレビにせよスマホにせよ絶対真似できないような製品を作れたはずが、そうしなかったその反省をすべき時だろう。

☆★☆★2014年09月18日付

 何かの役に立てばと思ったらどんな些細なことでも書くことをモットーにしているので、昨日に続きドライバーに転ばぬ先の杖をお貸ししよう▼その杖を持ち合わせていなかったために身の細る思いをし、おまけに余計な出費までしてしまった体験を、その原因と結果から分析・検証し、現代自動車文明の陥穽を発見したのは遅きに失したが、しかしこの体験は江湖に知らしめるべきと判断したからこそお節介をしたくなったのである▼バッテリーの消耗状態をどのようにして知るか?車にテスターを用意しておいて時々電圧を測るという奇特な御仁はまずいまい。だが、昔は運転席にいながらその状況を知ることができた。速度計などのメーター類が収まったどこかにかならずバッテリーの電圧計があって、一定レベルより低下しておれば電解液を補充するという対応ができたのである▼メーカーや車両価格帯にもよるのだろうが、一般的にそれが姿を消し、水冷式エンジンの液温を測る計器も見当たらなくなっている。つまりドライバーのチェック個所を減らしてくれたのはメーカーのサービス精神か時代の要請というものであろうか▼バッテリーの電解液を補充するために開け閉めするフタもいまや見当たらず、その部分が封印されているのも、時代変化とドライバーの技術低下を見越してのことなのだろう。バッテリーの管理は専門家に任せなさいということだろう。かくして車のブラックボックス化は進む。車は我が物にして我が物ではない時代なのである。

☆★☆★2014年09月17日付

 「矩をこえず」の70歳をとうに過ぎたというのに、心がけの悪さが直らず多くに迷惑をかける結果となった。いまその反省に立っている▼てん末はこうだ。盛岡市のホテルに連泊となり立体駐車場に車を預けた。さて帰る段になって車のドアをあけようとしたらまったく反応がない。さてはスマートキーやらのボタン電池がなくなったのかと判断、コンビニに走ったが事態は何も変わらない▼原因はバッテリーと判断、周囲の手を借りて手押しし、他車から「借電」してエンジンを回そうとしたが盗難防止のブザーが鳴ってエンジンはびくとも動かない。この間、現代の車は便利さのほとんどをバッテリー電源に委ねていることを知らされた▼やむなくJAF(日本自動車連盟)に出動を依頼したが、駐車場の入り口を故障車がふさいだため車の入出庫はお断りという最悪の状態に陥った。だから出発予定時間から1時間が経ってようやく「脱出」のメドが付いた時のホッとした気分は名状しがたいものがあった▼原因は長い充電停止であることは明白だが、それはバッテリーの経時疲労による疑いが濃く、定期点検を怠っていなければその症状は発見できたはず。また車のコンピュータ化が車の構造を分かりにくくしたのも事実だろう▼それにしても迷惑をかけた人々が誰一人文句を言わず、逆に協力してくれたことに感動させられた。日本人の細やかな人情にほだされる思いだった。蛇足ながら定期点検を受ける。JAFに入る。この2点は大事だと思い知らされた。

☆★☆★2014年09月14日付

 個人差もあろうが、人間は何時間眠ればいいのだろうか?という疑問を強く感じるこの頃である。年をとれば早起きになるとはよく聞くがそれはなぜなのか、加齢と睡眠は決して等閑に付されない問題と考えて答えを探して行こうと思っている▼若い頃は早起きが苦手というより辛かったから、出勤前のぎりぎりまで寝ていたが、それは夜遅くまで起きていたからにほかならない。飲みにでかければ2次会、3次会は当たり前だったのだから勢い寝不足となる。早起きしろというのが土台ムリなのだ▼3次会はおろか2次会も億劫になった近年は帰宅するやすぐ床に就くが、昔からアルコールの力を借りてバタンキューだから、多分熟睡しており、そう長時間眠らなくてもよさそうに思うのだが、実は早起きすると頭がすっきりせず、ために8時間が理想睡眠時間となっていた▼だが、近年は就寝から2〜3時間で目が覚める。加齢特有の症状なのである。同世代に聞くと例外なく一晩に最低1回、多くて4〜5回の頻度で「トイレタイム」が訪れるようだ。これはいただく酒類の総量で決まるようである。つまりビールと日本酒では摂取量が異なり、それが頻度に表れる▼いずれ熟睡の量が若い時と異なり、そのためか夕方頃には眠気をもたらすようになった。昔から昼寝はしないが、やはり体力の低下は争えないようだ。熟睡が妨げられるから「えい、このまま起きよう」となるのが年寄りの早起きの原因なのかもしれないが、ぐっすり眠りたいと思うのもまた事実だ。

☆★☆★2014年09月13日付

 「出処進退」の原義は別として、これを「身の振り方」と解釈した場合、そのタイミングを逸すると九仞の功を一簣にかくことになったり、晩節を汚したりするおそれがあることは幾多の先例が示す通りである。考えてみれば失敗だったという「後悔」が生まれてももはや「先に立たず」になるのもその通り▼朝日新聞の木村伊量社長が11日記者会見して「吉田調書」報道の誤りを認め謝罪したのは遅きに失した観を否めない。記事取り消しのタイミングのことではない。吉田調書もさることながら吉田清治氏の虚偽証言に端を発した慰安婦報道の誤りを認めながら何ら訂正も謝罪もしなかった結果への反発と混乱が時間と共に拡散するのを食い止める判断が長引いたことについてである▼両「吉田」報道は結果として誤報だったのだから、ここは社長が自ら訂正してお詫びすれば、その潔さを諒として深追いしないのが日本人の淡泊な気質であり、そうすればクオリティペーパー(高級紙)としての自負も気概も損なわれなかったに違いない▼だがそうはせず、検証記事も弁解に終始して大方のひんしゅくを買った。その後やることなすこと建前と本音の違いをさらけだし読者の不信感を増大させたことに社長自身が気付いたのだろう。ことここにいたって「説明責任」の出番となった▼だが、吉田調書に名を借りた謝罪は「証文の出し遅れ」に等しく、いずれ朝日新聞の看板に泥を塗った責任を問われて引責辞任は免れまい。この期に及んだら、一切の弁明は不要だ。

☆★☆★2014年09月12日付

 毎日のように豪雨災害のニュースと予報に接し、地球がおかしくなったのではないかと思うばかりである。東日本大震災の被災地を復興させるためだけでも莫大な予算が必要なのに、新たな災害被災地が増えていくと国家予算は大丈夫だろうかと心配になってくるのは考え過ぎだろうか?▼こんなに自然災害が多い年は記憶にない。もっとも脳の老化が進んで記憶力が鈍ってきているからあてにはならないが、いずれにしても豪雨禍が全国各地に拡がっているというのはまぎれもない。豪雨といえば台風と兄弟みたいに考え、沖縄や西日本、南日本に多い現象と捉えていたものが、東日本、北日本も例外ではなくなった▼北海道といえば、雪はともかく雨には無縁の土地のように弁えていたが、さにあらず。このところ被害が集中している印象を受けてやはり変だなという印象を強くする。そもそも夏の北海道と言えば冷涼なはずなのに、今年の夏は東北より暑い日が多く驚いた▼それは今年だけの特異な気象変化だと考えたいが、世界的に気象異常が続発しており、日本だけが変動しているとはいえないようである。それは大気が大きく動き回っているためであろう。そうかあらぬか「大気が不安定」という気象情報を聞かぬ日はない▼毎日行き交うトラックの群列を見ていると、復興のために使われる金額の大きさをいやでも実感させられるが、同時に自然災害の頻発はこの辺で打ち止めにならないかと思うのは決してエゴではなく国家財政を慮ってのことである。

☆★☆★2014年09月11日付

 朝日新聞の社員たちがいまどんな気持ちで仕事をしているのかと思うと気の毒でならない。それは「企業ナショナリズム」が前面に出て意図とは異なる結果が次々と表面化、ジャーナリズムの光彩を曇らせてしまったからである。これでは胸を張って本業に打ち込めまいと思うからである▼降りかかる火の粉を払いのけるために会社側が打った手がことごとく裏目に出てしまったという印象を強く受けるのは、あの大新聞にしてすら普段は忌み嫌う「弥縫策」「糊塗策」を自らも弄してその結果が墓穴を掘るという想定まではしていなかったからではあるまいか▼虚偽証言を取り消しても、そこから派生した慰安婦報道が世界に誤解をばらまいた点については訂正も謝罪もしないのに、いまや旬の池上彰氏が連載のコラムを掲載拒否して社内外から強い非難を浴びるとあっさり撤回して謝罪したというのは、判断基準が揺らいでいるとしか思えない。週刊文春、週刊新潮の広告を巡る扱いにしてもそうである▼一度は掲載を拒否したが、それを批判されると今度は自社に好ましくない文言を伏せ字にして認め、それも責められてか昨日は修正なしで掲載した。自社のことを悪しざまに扱う広告を見せつけられる社員たちの自虐退廃的気分を誰が償うのか?▼これはトップの責任に帰結する。自社に非があったとしたら自ら全面的に誤りを認め、素直に謝罪すればよかったのに、保身のため開き直った。その結果としての部数と社員の士気を阻喪する罪は計り知れないのである。

☆★☆★2014年09月10日付

 米国の電気自動車ベンチャー、テスラ・モーターズが高級セダン「モデルS」を初めて日本に納車した。国内初の購入者9組に車の鍵を手渡したが、823万円という価格ははたしてコストパフォーマンスとしてはどうなのか?▼などと考えるのは持たざる者のひがみというものだろう。日本初の車を手に入れるというその喜びに比べたら金額などどうでもいいのだろうか。こんな高額な車でもエコカーというわけで国の補助金が下りるから実際は700万円ぐらいになるらしいが、はたして富裕層に補助金は必要なのかと疑問に感じないでもない▼それはさておき、この車はフル充電で500`も走行できるというのがウリで、以前からどうしたらこんな距離を稼ぎ出せるのだろうと不思議に思っていた。というのも、日産の電気自動車「リーフ」がこの部分でいまだ苦戦しているからである▼それは同社の最高経営責任者のイーロン・マスク氏はじめスタッフのまさにベンチャー精神がもたらしたものだろうが、使われている走行用の電池がパナソニック製というのも何かのヒントになるかもしれない。この車の先進性に目をつけたトヨタ自動車が出資したというのも、この新機軸に脱帽したからだろう▼一時は出火騒ぎなども起こし、前途が危ぶまれたりしたが、どうやら軌道に乗ったようで、実用度において燃料電池車は敵にならないと自信満々。普及が進めば手が届く値段に近づくかもしれないが、究極のエコカーはやはり燃料電池車になるのではないかと思う。

☆★☆★2014年09月09日付

 テニスなど縁なき衆生で、ラケットに触ったことはあるが、ボールを握ったことはない。つまりプレー経験なし。そんな人間でも全米オープンで錦織圭選手が決勝進出を決めたと知って歓声を上げたのも「愛国主義者」のためだろうか▼恥ずかしながらテニスには全豪、全仏、全英、全米の各オープンという四大大会があることを知った。その四大大会のいずれにおいても決勝進出は初めてで、錦織選手がベスト4入りしたのも96年ぶりとあって、正直なところ準決勝の結果には余り期待していなかった▼しかし今日の錦織は昨日の錦織にあらず。ものすごい急成長を遂げていたことに驚かされた。どんな大会でも必ず彼の存在がクローズアップされるのだが、ここ一番で涙を飲むという場面を見続けてきたせいか、本大会も特別に注目をしていなかったのだが、17歳で全仏オープンを制したマイケル・チャン氏という名伯楽を得て名馬が見事に真価を発揮したのである▼決勝は日本時間9日午前6時から行われ、クロアチアのマリン・チリッチと対戦するが、過去の対戦成績は5勝2敗と錦織が上回っているものの、勝負は水物。楽観は許されまい。しかしなんとか優勝しテニス界に日本の存在をアピールしてほしいものだ▼もう一つうれしいニュースがある。われらが大谷翔平投手が今季10号のソロを放ち、10勝と併せて日本初を記録したことだ。投手と打者の二刀流の通用がこれで証明された。ベーブルースの13勝、11本塁打を抜くのももはや時間の問題か。


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