岩手県大船渡市に生まれ育ち、純国産資本で大手ハンバーガーチェーン 「モスバーガー」
を展開する(株)モスフードサービスを創業した櫻田慧氏(1937〜1997)。
その波瀾の生涯を描いた 『モスバーガーを創った男の物語 羅針盤の針は夢に向け』
が、
東海新報社から発刊された。
櫻田氏の生き様と 「櫻田イズム」 が閉塞感漂う今日、年代や性別、職業を超えて人として生き方を問い直し、夢と希望を与えてくれる1冊となっている。
この本は、平成20年4月から3年間にわたって東海新報紙上で毎週日曜日に連載してきた
『モスバーガーを創った男』 をもとに、出版用として書き換えたもの。
新聞紙上では掲載されなかった事実やエピソードを加筆し、17章からなる構成も一部変更。
「終章」 は全面的に書き換えるなどした。
櫻田氏は昭和12年1月に大船渡市盛町で生まれ、高校1年の途中まで故郷で過ごした。
医学部進学を目指して上京。医学部へは進めなかったものの、日興證券へ入社し、派遣されたアメリカで
「ハンバーガー」 と出合う。その後次々と襲いかかる試練を乗り越え、東証一部上場企業と国内外に約1,600店を展開する一大チェーンを築き上げ、平成9年5月に60歳で亡くなった。
出版は(株)モスフードサービス (櫻田厚社長、東京都) と創業期以来の櫻田氏の盟友・野下靖久氏
(同社顧問税理士、同)、(株)東海新報社の共同企画。
野下氏が平成18年秋に大船渡市を訪れた際、地元であまりにも櫻田氏が知られていないことに強い衝撃を受け、伝記出版を思い立ったのがきっかけ。同氏の思いがモスフードサービスを通じて東海新報社に伝えられ、共同事業として紙面掲載後に刊行することが決定。
本は神格化された経営者の成功物語ではなく、短所を持ち、時に悩み迷い、失敗もする 「人間・櫻田慧」 の生涯を縦糸に、家族の情愛や仲間たちとの出会いと別れ、モスフードサービスの歴史などを横糸に織り込みながら、櫻田氏の “実像” に迫った作品。
本ではまた、櫻田氏が苦難と挫折の中から見出してきた 「櫻田イズム」 も分かりやすく紹介している。男女を問わず、どの年代にとっても、とりわけ次代を担う若者たちにとってはこれからの生き方を考える上で、大いに参考となりそうだ。
本の帯には櫻田氏と親交のあった写真家・浅井愼平氏が推薦文を寄せ、冒頭のページには同氏の好意で提供された櫻田氏の写真も収録されている。
出版に当たり、モスフードサービスの櫻田社長は 「この本を熱い思いで読破しました。櫻田の際立つパーソナリティと櫻田イズム、櫻田を熟知していると思っていた私でさえ驚かされるほどの挑戦と挫折を繰り返し、いかに心血を注いでモスバーガーの創業に至ったかを思うと改めて引き継ぐものの大きさと責任を重く感じました」 と語っている。
また、野下氏は 「櫻田慧さんは快男児という言葉がぴったり当てはまる素晴らしい方でした。
この本で彼の思想、人柄、努力、業績を余すことなく知っていただけると思うと、とてもうれしい。みなさんには大きな感動をもって読んでいただけると信じています」 と話している。