全国初の第三セクターとして脚光をあびた、三陸鉄道が開業して早や20年がたった。
南リアス線(盛〜釜石)と北リアス線(宮古〜久慈)が、JR山田線を介して全線つながっている。中でも南リアス線は、リアス式海岸の眺めが美しいことで評判。雄大な太平洋の大パノラマを楽しむことができる。“海のアルプス”鉄道とも呼ばれる。
アイボリーホワイトに朱色のストライプ車体も三陸の青い海にマッチする。海岸線を走るためトンネルの多いことでも有名。多彩な表情をみせる岩肌と荒海を抜けると、潮風にそよぐ松林に波の静かな入り江が広がる。変化に富んだ景色がまるでスライドショーのように車窓に展開する。
三陸鉄道の駅名には、「綾姫(あやひめ)の里」綾里とか、「藍の磯辺(あいのいそべ)」小石浜のようにキャッチフレーズがついていることは意外と知られていない。起点の盛駅の愛称は「長安・長英」、陸前赤崎は「貝塚めぐり」、綾里「綾姫」、甫嶺が「鬼の大海」、三陸が「科学の光」、吉浜は「キッピンアワビの里」と続く。
それぞれ特色ある歴史文化をベースにしているが、小石浜がなぜ「藍の磯辺」なのかよくわからなかった。小石浜駅は数十段もある高い階段を上らないとホームにたどり着かない。津波の被害を最小限にとどめるためなのだろうか。おかげでホームからの眺めはかなり良好である。「藍の磯辺・こいしはま」の案内板に「眺め雄大!太平洋」の文字。
ホームから見下ろす越喜来湾の穏やかな入り江はしみるように濃く明るい藍色の磯辺。
納得の景色がそこに広がっていた。